◆Q1. 建設業許可は必ず受けなければならないのですか?
A1. 建設業許可は、必ず受けなければならないものでもありません。
建設業許可は建設業を営む全ての業者が許可を受けなければならないものではありません。一定の基準以下の小規模工事をするのであれば許可がなくても違反にはなりません。
しかし、信用の一つの目安になるものであることは事実です。私たちが家を建てようと考え、建設業者を選ぶ際、許可を持っている建設業者と持っていない業者、どちらを選ぶかと言えば、一つの目安としてやはり許可を持っている業者になるのは当然のように思いますし、また下請け業者を選ぶ際にも、許可を持っている業者さんは信頼を得られるのではないでしょうか。
◆Q2. 建設業許可の種類は?
A2. 建設業許可は、知事許可と大臣許可があります。
知事許可 |
一つの都道府県の区域内にのみ営業所を設ける場合の許可
(一つの都道府県の区域内に二つ以上の営業所を設ける場合も含む) |
大臣許可 |
二つ以上の都道府県の区域内に営業所を設ける場合 |
次に、業種によって一般建設業と特定建設業の二つに区分され、どちらかの許可を受けなければなりません。
一般建設業 |
以下のいずれかの場合
・請負工事をすべて下請で行う場合
・元請として請け負った工事をすべて自社で行う場合
・元請として請け負った工事を下請に出す場合で、その発注金額が消費税込4,000万円(建築一式 工事の場合6,000万円)未満の場合 |
特定建設業 |
元請として請け負った工事を下請に出す場合で、その発注金額が消費税込4,000万円(建築一式工事の場合6,000万円)以上の場合 |
一般建設業と特定建設業の違いは、下請に出す契約金額です。
発注者から請け負うことができる金額に制限はありません。
◆Q3. 許可の有効期限は何年ですか?
A3. 建設業許可の有効期限は5年です。
引き続き建設業を営もうとする場合は、30日前までに更新申請をする必要があります。
◆Q4. 建設業許可を受けるための要件は?
A4. 建設業許可を受けるためには、次の要件が必要です。
○ 経営業務の管理責任者としての経験を有する者がいること
○ 専任の技術者がいること
○ 請負契約に関して誠実性があること
○ 請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用があること
○ 欠格要件に該当しないこと
◆Q5. A4の要件1の経営業務の管理責任者とは?
A5. 経営業務の管理責任者になるには、次の要件が必要です。
- 法人の場合、常勤の役員であること(株式会社、特例有限会社での取締役など)
- 個人の場合、事業主本人または支配人登記した支配人であること
更に、上記1、2に該当する者が次のa、b、cのいずれかの条件に該当することが必要です。
- 許可を受けようとする建設業に関して、5年以上経営業務の管理責任者(法人の役員、個人事業主等)としての経験を有していること
- 許可を受けようとする業種以外の建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること
- 許可を受けようとする建設業に関し、7年以上経営業務を補佐(役員に次ぐ人、共同経営者など)した経験を有していること
◆Q6. A4の要件2の専任の技術者とは?
A6. 専任技術者とは、その業務について専門的な知識や経験を持つ者で、営業所でその業務に従事する者のことです。また、許可を受けようとする業種が「一般建設業」「特定建設業」により要件が異なります。
「一般建設業」
- 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、以下の実務経験を有する者
大学(高等専門学校・旧専門学校を含む)指定学科卒業後 3年以上
高校(旧実業学校を含む)指定学科卒業後 5年以上 - 学歴・資格の有無を問わず、許可を受けようとする業種に係る建設工事について10年以上の実務経験を有する者
- 許可を受けようとする業種に関して一定の資格を有する者、その他国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者
「特定建設業」
- 許可を受けようとする業種に関して、国土交通大臣が定めた試験に合格した者、または国土交通大臣が定めた免許を受けた者
- 「一般建設業」の要件1〜3のいずれかに該当し、かつ元請として消費税含む4500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験を有する者
- 国土交通大臣が、1、2に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者
- 指定建設業(土木工事業、建築工事業、管工事業、鋼構造物工事業、ほ装工事業、電気工事業、造園工事業)については、1または3の該当する者であること
◆Q7. A4の要件3の誠実性があることとは?
A7. 誠実性があることとは、不正または不誠実な行為をするおそれがないことです。法人の場合は、その法人、役員、支店長、営業所長が対象となり、個人の場合は、その個人事業主または支配人が対象となります。
また、不正な行為、不誠実な行為とは次のような行為をいいます。
不正な行為 |
請負契約の締結または履行に際して詐欺、脅迫、横領などの法律に違反する行為 |
不誠実な行為 |
工事内容、工期などについて請負契約に違反する行為 |
◆Q8. A4の要件4の財産的基礎、金銭的信用の要件とは?
A8. 財産的基礎、金銭的信用の要件は、許可を受けようとする業種が「一般建設業」「特定建設業」により異なります。
「一般建設業」
次の要件1〜3のいずれかに該当しなければなりません。
- 純資産の額が500万円以上であること
- 500万円以上の資金調達能力があること
- 許可申請直前の過去5年間について許可を受けて継続して建設業を営業した実績のあること
「特定建設業」
次の要件1〜4の全てに該当しなければなりません。
- 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
- 流動比率が75%以上あること
- 資本金が2,000万円以上あること
- 純資産の額が4,000万円以上あること
◆Q9. A4の要件5の欠格要件に該当しないこととは?
A9. 許可を受けようとする者、すなわち法人の場合はその法人の役員、個人の場合はその本人、支配人、その他支店長・営業所長などが、欠格要件に該当しないことです。
欠格要件は次の1,2であり、これらのいずれかに該当した場合は許可を受けることができません。
- 許可申請書またはその添付書類の中に重要な事項について虚偽の記載があるとき、または重要な事実の記載が欠けているとき
- 法人の役員、個人事業主本人、令3条に規定する使用人が次のいずれかの要件に該当するとき
- 成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ない者
- 不正の手段により許可を受けたことなどにより、その許可を取り消され、その取り消しの日から5年を経過しない者
- 許可を取り消されるのを避けるため廃業の届け出をした者で、その届け出の日から5年を経過しない者
- 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害をおよぼしたとき、または危害をおよぼすおそれが大であるとき
- 請負契約に関し不誠実な行為をしたことにより営業の停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けなくなった日から5年を経過しない者
- 一定の法令(建設業法等)に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を受けなくなった日から5年を経過しない者